さまざまな症状を引き起こす「アデノウイルス感染症」の病態と診断・看護について

アデノウイルス(Ad)は現在60種類以上のもの型に分類されており、それぞれ臨床的特徴が異なりさまざまな症状を呈します。特徴的な所見と迅速検査キットの活用で診断が可能であり、症状に応じた看護が望まれます。
病態
・上気道粘膜や結膜からウイルスが直接侵入することで感染します。
・潜伏期間は数日~1週間程度であり、さまざまな症状がみられます。
・咽頭炎:咽頭の発赤、扁桃の白苔や隆起した咽頭後壁リンパ節が特徴で、3型では咽頭結膜熱(咽頭発赤・高熱・結膜充血、俗称:プール熱)を呈します。
※プール熱:かつてプールで大流行したことがあるためこの名称が使われていますが、プールに入水していなくても発症します。
・胃腸炎:40型や41型では下痢を主体とする急性胃腸炎を起こし、腸重積発症の要因としても注目されています。
・結膜炎:8型、19型、37型では流行性角結膜炎の原因となります。
・出血性膀胱炎や泌尿生殖器系感染症の原因となりうるものもあります。
※ウイルスが直接侵入:アデノウイルスは汚染した手指や環境などから感染します。
診断・検査・治療
・特徴ある症状や診察所見から本ウイルスによる感染を疑います。
・外来では、咽頭拭い液、眼脂、便などを検体とした迅速検査キットにより診断が可能です。
・対症療法と経過観察が中心となります。
家族からよくある質問
「熱は下がったのですが目が赤い状態です。登園はしてよいですか?」
咽頭結膜熱では解熱後2日を経過すれば登園可能とされていますが、目の症状が残っている場合は、眼科での診察も必要でしょう。
看護のポイント
・咽頭炎では高熱に対して、胃腸炎では下痢・嘔吐に対して、そして結膜炎では周囲への感染予防に対しての対処法を説明します。特に持続する高熱に対しては、水分や食事の与え方など具体的なホームケアについて説明します。
・迅速検査で診断が付けば、今後の経過や見通しについて説明することで家族に安心を与えることができます。